司法修習というもの(年間スケジュール)
初回なので、司法修習についてざっくり書いていきたいと思います。司法修習とは、司法試験合格者が約1年間実務研修を積み裁判官、検察官、弁護士といった実務家として活躍する準備をする期間になります。最高裁判所のHPでは
法科大学院で学んだ法理論教育及び実務の基礎的素養を前提として,法律実務に関する汎用的な知識や技法と,高い職業意識や倫理観を備えた法曹を養成することを目的としており,法曹養成に必須の課程
と説明されていますね。
司法修習のスケジュールは概ね以下の通りになります。
9月上旬 司法試験合格発表
12月 導入修習
1月・2月 実務修習第1クール
3月・4月 実務修習第2クール
5月〜6月下旬 実務修習第3クール
6月下旬〜8月上旬 実務修習第4クール
8月上旬〜9月 集合修習(人によって選択型実務修習と順番が前後)
10月〜11月 選択型実務修習
11月末 二回試験
導入修習では埼玉県和光市に合格者全員が集められ、1ヶ月の座学で修習に向けた基礎が叩き込まれます(いうほどスパルタではないですが)。
その後、実務修習では全国各地の地方裁判所所在地に配置され、その地方で裁判所、検察、法律事務所に所属しながら内部の事務を体験していくのです。
今、私はちょうど第1クールの検察修習が終了したところです。明日からは裁判所での修習になります。
集合修習では再び埼玉に集まり、主に書面づくりの復習を行います。実務修習を経た成果を教官方に見せて矯正する機会と私は見ています。まだやってないからなんとも言えませんが。
選択型実務修習は個々の修習生が用意されたプログラムから興味のあるプログラムを選んで修習ができる期間です。弁護士過疎地域に行って過疎地の弁護士活動を見学かつ観光したり(奄美大島とか沖縄本島の法律事務所での研修もあるのです)、知財高裁での研修、児童保護施設での研修など自身のキャリア形成に役立ちそうな修習をしたりします。
修習の最後に待ち受けているのが二回試験です。修習の最後、5日間かけて書面作成の試験を行います。合格率は非常に高く昨年は約1500人のうち不合格者は8名のみでしたが、これに落ちてしまうと翌年の二回試験を受け直さなければ法曹になれませんので、恐怖の二回試験などと呼ばれています。
こうして二回試験を突破すると、晴れて12月から弁護士、検察官、裁判官として活躍することができるようになるのです。
長くなってしまいましたが、司法試験合格後の1年間は概ねこんな感じです。なんだか最高裁のHP行けばわかることばかりであんまり面白くないですね。次回は私自身の導入修習、検察修習の体験をしたいと思います。