毎日司法修習ブログ

司法修習生が修習中のできごとについて守秘義務の範囲で語っていきます。毎日ではないと思います。

自宅学修中にしていたこと

お久しぶりです。

 最近,ようやく実務修習が再開されました。といっても完全再開ではなく,まずは週2,3日程度から段階的に再開していくという感じで平日のうち2日はまだ自宅学修です。これは楽チンです。自宅学修は変化がなくて退屈,週5修習は疲れるのと復習の時間が減る(修習程度で愚痴を言うと現役実務家に怒られそうですが),週3はちょうどいい感じです。

 さて,私は自宅学修中は主にYoutube,あつ森,釣り,読書をしていました。今後これだけ悠々自適な生活ができることはないでしょう(※修習時間外の話です。当然ですよね。修習時間にゲームなんて全くけしからんね)。

 Youtubeでは「Fラン大学就職チャンネル」がお気に入りで垂れ流していました。名前で忌避されそうですが就活を題材にして真面目な内容を面白く風刺しているチャンネルです。ゆっくり動画に抵抗がなければどうぞ。


道楽食堂

(この話が一番好き)

 読書は実務や修習再開後に向けていろいろつまみ読みましたが,刑裁・弁護修習に向けて一番良かったと思えたのは「弁護のゴールデンルール」です。

弁護のゴールデンルール

弁護のゴールデンルール

 

  薄くて安くて電子書籍展開しているのが良いです。これを読むことで尋問の良し悪しについて一つの基準ができますので,自然と立ち会いや傍聴で吸収できる知識も増えるでしょう。

 また,法廷での弁護士の行動が依頼人の利益に直結すると改めて認識させられました。

 他に「入社一年目の教科書」も良かった。

入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 作者:岩瀬 大輔
  • 発売日: 2011/05/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

  これは新社会人のための心構えを示したような本です。気に入ったのは,当たり前のことをやる気にさせてくれる文章で書かれている点です。遅刻をするなということも上司の飲み会に連れ回された翌日こそピシッと身支度して時間通りに出社することが信頼になる等,言い訳が先回りで防がれています。私なんかはついつい自己正当化してしまって当たり前のことが完遂できていないことがあるので刺さりました。修習日誌の提出も遅れがちですしね。説教ベースではなく筆者の体験したメリットから説明されている点も良かったです。何度も読み返して気を引き締めたい本。

 

 他にも破産事件が増えそうな気がしたので倒産法の実務書を読んだりしていましたが,全然理解できてないので感想書けません。とにかく私はこんな感じで自宅学修を過ごしていました。

 

 

 あとあつ森ね。自由時間の5割はあつ森だったね。

 

 

司法修習生とコロナ

 ご無沙汰してます。

 4月を迎え,第2クールも折り返し地点となりました(記事公開時点ではもう4分の3ですね)。しかし残念ながら,大規模庁ではコロナによる外出自粛として,在宅修習を余儀なくされている修習生もいるようです。私の修習地は小規模(修習生20人以下)ですが,でも大都市圏から通勤している修習生は自宅待機となってしまいました。一生に一度の司法修習第2クールを強制終了されてしまうのはすごく同情してしまいます。

 ところで,小規模庁であれば修習に影響がないかと言うとそんなことは全くありません。私は民裁修習中で,実際の民事事件記録を読んで検討した上で公判や弁論準備手続きを見学し,裁判官と意見交換をするというのがその主な内容となります。あとは懇親会や会食,施設見学といったイベントもあります。

 しかし外出自粛の結果,公判や弁論準備手続きがなくなりイベントも全てなくなりました。尋問もここまで1回しか見られていません。概ね事件記録を読んでいるだけなので,これ実務修習の意味あるのかなと思えてしまいます。実際の事件記録読むのも面白いですけどせっかく実務修習なんだから体験型のイベントが欲しいんですよね(というか実際の事件記録なんて事務所バイト時代にもう読み漁ってるし作ってるし)。正直,検察修習は毎日忙しくてあっという間でしたが,裁判所修習は振り返ってもそんなに思い返すことがなく悪い意味であっという間でした。

 外出自粛のため,休日も家で一人で本読んだりゲームしたり料理したりしかすることがありません。つまらない。とりあえず民裁修習のイベントだけ他クールに回してもらうことはできませんかね。

 それでも裁判所行って実務修習ができる分在宅修習よりはだいぶ良い状況にあります。いつうちの庁にもコロナの魔の手がおよぶともわかりませんので,今の目の前の修習を充実させるように足掻きたいと思っています。

 

(よもや,司法試験延期で修習終了も延期などと言うことにはならないでしょうか……。就職遅れるのは困ります。)

司法修習生と就活

 今日の話題は司法修習生の就活です。

 司法修習生の就活と言っても,司法試験合格者の就活は早いと司法試験受験前のウインタークラークや受験後のサマークラークから始まります。これは大手事務所が東大京大等最上位ロースクールや予備試験合格者,ロースクール上位成績者,特殊スキル持ちを囲い込むパターンですね。私は中位ローで中下位の成績で1浪という平々凡々な成績だったので書類落ちでした。もっとも,昨今の売り手市場のおかげか予備短答だけでも受かっている人はローの成績が平均以下でも面接呼ばれてました。

 それ以外の人はやはり合格発表直後から動き出します。大体10くらい書類出してほとんど面接呼ばれるんじゃないでしょうか。で,関西の修習同期は合格した年末までに8割程度の人が内定確保しています。クソ早いですね。

 今は3月ですが,私以外に内定を持ってない人を知りません。年齢関係なく持ってます。修習生はたいていひまわり求人求職ナビというサイトで応募をするのですが,まだまだあります。さすが売り手市場と言われるだけのことはありますね。初任給も基本給で500万〜600万はくれるところが多いです。

 今年受験する方は弁護士過剰など心配せずに挑んで頂きたく思います。

 私も早くその恩恵に預かりたいです。正直,いつかは独立すると思うので即独でもいいのではとも思うのですが,弁護士としての経験はおろか社会人経験すらないため最初は事務所に所属したいと思っています。

追記:就職決まりました(3/21)。

本日の民事裁判

 今日も今日とて記録を読むのが中心です。私は座っておとなしくしているのが苦痛なので民事裁判修習向いてないですね。

 

 某関西大手企業法務系事務所の書面を読みました。紙質が良くカラー印刷でヘッダーとフッターにオシャレな装飾がありました。なんの変哲もない一般民事訴訟だったので,大手といえども普通のマチベンみたいな仕事もあるんだなと思いました。主張の内容も普通でした。

 ただ,当事者本人や代理人の感情が見えがちな書面も多い中,シンプルに主張と根拠を出してくれるので読みやすかったです。

今週の民裁修習で学んだこと

 

カルテの読み方

 

弁護士も色々

 ・丁寧で淡々な弁護士

 ・物腰柔らかで最初から相手方に対して譲歩して丸く収めたい弁護士

 ・喧嘩腰弁護士

 ・訴訟物・攻撃防御方法といったワードの意味がわからないし口頭で質問には答えない弁護士

 ・やたら医学用語に強いし証拠で語る弁護士

 

訟務官の答弁書は目次やフォントにまでこだわっていて手が込んでいる。国家権力!

 

まとめ

 座って記録や資料を読み込んでいるのが基本なのであんまり面白くないですね。実務に出れば当事者意識が湧くので違うと思うんですけど。

 あと裁判官室での合議を見る感じ証拠がない部分について弁護士が気合い入れて丁寧・感動的な書面を書く意義はない気がします。法解釈示すときも端的がいいようですね。シンプルで早く読める書面がベスト。

第2クール1日目

第2クールは民事裁判修習です。

 

 

 今日は一瞬であいさつ回りが終了後、明日以降膨張する裁判の記録を眺めていました。

 うーむ。本物の実務家の書面は書いた人の性格が出るなあ。

 とか思いながら読んでました。P修習とはうってかわって放置気味の一日でした。定時帰り余裕です。でも帰りがけは左陪席の裁判官がたくさん話しかけてくれて楽しかったです。

 

 裁判所ではPCがないので私物PCの使用申請を予め出しておいたほうがいいです。

司法修習というもの(年間スケジュール)

 初回なので、司法修習についてざっくり書いていきたいと思います。司法修習とは、司法試験合格者が約1年間実務研修を積み裁判官、検察官、弁護士といった実務家として活躍する準備をする期間になります。最高裁判所のHPでは

法科大学院で学んだ法理論教育及び実務の基礎的素養を前提として,法律実務に関する汎用的な知識や技法と,高い職業意識や倫理観を備えた法曹を養成することを目的としており,法曹養成に必須の課程

 と説明されていますね。

 司法修習のスケジュールは概ね以下の通りになります。

  9月上旬     司法試験合格発表

 12月       導入修習

 1月・2月     実務修習第1クール

 3月・4月     実務修習第2クール

 5月〜6月下旬   実務修習第3クール

 6月下旬〜8月上旬 実務修習第4クール

 8月上旬〜9月   集合修習(人によって選択型実務修習と順番が前後)

 10月〜11月   選択型実務修習

 11月末      二回試験

 導入修習では埼玉県和光市に合格者全員が集められ、1ヶ月の座学で修習に向けた基礎が叩き込まれます(いうほどスパルタではないですが)。

 その後、実務修習では全国各地の地方裁判所所在地に配置され、その地方で裁判所、検察、法律事務所に所属しながら内部の事務を体験していくのです。

 今、私はちょうど第1クールの検察修習が終了したところです。明日からは裁判所での修習になります。

 集合修習では再び埼玉に集まり、主に書面づくりの復習を行います。実務修習を経た成果を教官方に見せて矯正する機会と私は見ています。まだやってないからなんとも言えませんが。

 選択型実務修習は個々の修習生が用意されたプログラムから興味のあるプログラムを選んで修習ができる期間です。弁護士過疎地域に行って過疎地の弁護士活動を見学かつ観光したり(奄美大島とか沖縄本島の法律事務所での研修もあるのです)、知財高裁での研修、児童保護施設での研修など自身のキャリア形成に役立ちそうな修習をしたりします。

 修習の最後に待ち受けているのが二回試験です。修習の最後、5日間かけて書面作成の試験を行います。合格率は非常に高く昨年は約1500人のうち不合格者は8名のみでしたが、これに落ちてしまうと翌年の二回試験を受け直さなければ法曹になれませんので、恐怖の二回試験などと呼ばれています。

 こうして二回試験を突破すると、晴れて12月から弁護士、検察官、裁判官として活躍することができるようになるのです。

 

 長くなってしまいましたが、司法試験合格後の1年間は概ねこんな感じです。なんだか最高裁のHP行けばわかることばかりであんまり面白くないですね。次回は私自身の導入修習、検察修習の体験をしたいと思います。